うさぎの耳ダニの症状と治療|見分け方と自宅ケアの注意点
うさぎの耳ダニは強いかゆみとかさぶたが特徴の寄生虫症です。症状の見分け方、動物病院での治療内容、自己判断で薬やオイルを使う危険性まで解説します。

野生のアナウサギは巣穴の中で群れごとに毛づくろいをし合いながら暮らしていますが、寄生虫がついても仲間からうつる代わりに広い環境の中で密度が薄まりやすい面があります。一方、家うさぎはケージという限られた空間で暮らし、新しい子をお迎えしたときや多頭飼いのときに耳ダニのような寄生虫が一気に広がりやすい状況に置かれています。だからこそ飼い主さんが耳の中まで日常的にチェックし、異変に早く気づいてあげることが欠かせません。
うさぎの耳ダニとはどんな病気?
うさぎの耳ダニ症は、ミミヒゼンダニ(Psoroptes cuniculi)という肉眼ではほぼ見えない小さなダニが耳の中に寄生することで起こる病気です。ダニが耳の内側の皮膚を刺激し続けることで強いかゆみと炎症が生じ、放置すると耳全体に褐色〜灰色のかさぶたが厚く積み重なった状態になります。うさぎ同士の接触や、汚れたケージ・タオルなどを介してうつることが多く、多頭飼育や保護施設出身の子で見られやすい病気です。自然に治ることはほとんどなく、動物病院での駆虫治療が必要になります。
うさぎの耳ダニの症状チェックリスト
耳ダニの初期症状は「耳をよく掻く」「頭を振る」といった、一見よくある仕草に見えることが多いです。次のようなサインが複数当てはまる場合は、耳の中を明るい場所でよく観察してみてください。
- 耳を後ろ足で頻繁に掻く、床にこすりつける
- 頭を左右に振る、片方に傾けている
- 耳の内側に茶色〜灰色のかさぶたやフケのようなものが厚く付着している
- かさぶたがカリフラワーのようにゴツゴツと盛り上がっている
- 耳を触られるのを極端に嫌がる
- 耳の縁の毛が薄くなっている、脱毛している
- 症状が進むと、かさぶたの下から出血したり、においが強くなったりする
初期のうちは耳の入り口付近に少量のフケが見える程度ですが、数週間で耳全体に厚いかさぶたが広がることがあります。かさぶたを無理にはがそうとすると出血や強い痛みを伴うため、自宅で取り除こうとするのは避けてください。
耳ダニと外耳炎・疥癬の見分け方
耳のトラブルは耳ダニ以外にも外耳炎や疥癬(ダニの一種による皮膚病)など似た症状を示すものがあり、見た目だけで自己判断するのは難しいです。目安として次の表を参考にしつつ、最終的な判断は動物病院の検査に委ねてください。
| 症状の特徴 | 耳ダニ症 | 細菌性外耳炎 | 疥癬(他の皮膚ダニ) |
|---|---|---|---|
| かさぶたの見た目 | 褐色〜灰色で厚く盛り上がる | 湿った黄色っぽい耳垢が多い | 顔や体にも広がることがある |
| かゆみの強さ | 非常に強い | 中程度 | 強い |
| 発生部位 | 耳の中心 | 耳の中心 | 顔・耳の縁・体全体 |
| におい | 強くなることがある | 独特の悪臭がしやすい | 目立たないことが多い |
見た目が似ていても原因となる寄生虫や細菌が違うため、使う薬も異なります。耳の異常に気づいたら、自己判断で市販の耳掃除用品や人間用の薬を使わず、まずは動物病院で耳の中を顕微鏡で確認してもらうことが確実な近道です。
耳ダニの原因とうつる経路
耳ダニは主にうさぎ同士の接触や、汚染された寝床・食器・タオルなどを介して感染します。ペットショップやブリーダー、保護団体から新しくお迎えした子が実は耳ダニを持っていて、先住うさぎにうつってしまうケースは珍しくありません。新しい子を迎える際は数日〜1週間ほど別のケージで隔離し、耳の中を含めて体調を観察してから合流させると安心です。また、多頭飼いのケージやトイレを清潔に保ち、共有する布製品はこまめに洗濯することも予防につながります。うさぎのお迎え準備|必要な用品リストを徹底解説も合わせて確認しておくと、新しい環境を整える際の参考になります。
耳ダニの治療方法
耳ダニの治療は動物病院での駆虫薬の投与が基本で、自宅のケアだけで治すことはできません。診断がつくと、皮下注射や滴下タイプの駆虫薬(イベルメクチンなど)が処方されることが多く、症状や体重に応じて投与間隔や回数が決められます。厚く固まったかさぶたは無理にはがさず、獣医師の指示に従って自然にはがれるのを待つか、必要に応じて処置してもらいます。二次的な細菌感染が疑われる場合は、抗生剤が併用されることもあります。投与スケジュールや薬の与え方については、うさぎへの薬の飲ませ方|シリンジ投薬のコツと注意点も参考にしてください。治療期間や再検査の必要性は個体差があるため、詳しい経過については必ずかかりつけの動物病院に相談してください。
自宅でのケアと注意点
自宅でできることは、指示された薬を正しいタイミングで投与し、耳を清潔で乾燥した状態に保つことです。「オリーブオイルを耳に垂らすとダニが窒息する」といった民間療法を耳にすることがありますが、うさぎの耳は皮膚が薄く傷つきやすいため、自己判断でオイルや消毒液を耳の中に入れるのは避けてください。かさぶたを無理に剥がす、綿棒を耳の奥まで入れるといった行為も出血や外耳道の損傷につながるおそれがあります。治療中はうさぎが耳を気にして頻繁に足で掻くため、爪が伸びていると自分で耳を傷つけてしまうこともあります。爪の長さもあわせてチェックしておきましょう。
耳ダニの予防方法
耳ダニの予防には、新しい子の隔離観察と日常的なケージの清潔管理が有効です。具体的には次のような対策が挙げられます。
- 新しく迎えたうさぎは数日〜1週間は別ケージで様子を見る
- ケージ・トイレ・食器を定期的に洗浄し、乾燥させる
- 多頭飼いでは、うさぎごとにタオルやブラシを分ける
- 月1回程度、耳の中を明るい場所で目視チェックする習慣をつける
- 定期的な健康診断で耳の状態も一緒に診てもらう
耳のチェックは、うさぎの健康診断の頻度と費用相場|何歳から必要?で紹介されているような定期健診のタイミングに合わせて行うと習慣化しやすいです。日々のスキンシップの中で耳を軽く触る習慣をつけておくと、かゆがる様子や嫌がる反応の変化にも気づきやすくなります。
よくある質問
うさぎの耳ダニは人間にうつりますか?
ミミヒゼンダニは基本的にうさぎなど動物の耳に特化した寄生虫で、人間に定着して症状を起こすことはほとんどないとされています。ただし念のため、うさぎの耳に触れた後は手をよく洗い、多頭飼いの場合は他のうさぎへの感染拡大に注意してください。
耳ダニのかさぶたは自分で取っても平気ですか?
自分で無理に剥がすのは避けてください。かさぶたの下の皮膚は炎症を起こしていることが多く、無理に剥がすと出血や強い痛みを伴い、治療の妨げになる可能性があります。
耳ダニの治療にはどのくらいの期間がかかりますか?
症状の程度や個体差によって幅があるため一概には言えません。駆虫薬を複数回に分けて投与し、再検査で寄生虫がいなくなったことを確認するまで通院が必要になることが多いため、詳しいスケジュールは担当の獣医師に確認してください。
耳ダニを放置するとどうなりますか?
かゆみが強くなり、かさぶたが厚く広がるだけでなく、掻き壊しによる出血や細菌の二次感染、中耳炎への進行が懸念されます。様子見をせず、早めに動物病院を受診することをおすすめします。
参考文献
- MSD獣医マニュアル「Routine Health Care of Rabbits」— 日常的な健康チェックと定期健診の重要性の根拠として参照 https://www.msdvetmanual.com/all-other-pets/rabbits/routine-health-care-of-rabbits
- RSPCA「How To Keep a Rabbit Healthy & Happy」— 体調不良のサインの見分け方と早期受診の考え方の参考として参照 https://www.rspca.org.uk/adviceandwelfare/pets/rabbits/health
- House Rabbit Society「Care」— 日常のお世話とケージ・道具の衛生管理の参考として参照 https://rabbit.org/care/
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